「人を狩ることほどの狩猟は存在しない。そして、武装した人間を十分な期間狩り、その行為を気に入った者は、その後他の何にも興味を持たなくなる」
- 1899年7月21日~1961年7月2日
- アメリカ出身
- 小説家、詩人、ジャーナリスト
- 『老人と海』や『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』などの名作を著し、1954年にノーベル文学賞を受賞した
英文
“There is no hunting like the hunting of man, and those who have hunted armed men long enough and liked it, never care for anything else thereafter.”
日本語訳
「人を狩ることほどの狩猟は存在しない。そして、武装した人間を十分な期間狩り、その行為を気に入った者は、その後他の何にも興味を持たなくなる」
解説
この名言は、戦争や人間同士の戦いの本質についてヘミングウェイが持っていた考えを鋭く表現している。彼は、戦争や戦闘が持つ非日常性と、その中にある極端な緊張感やスリルを認識していた。この言葉には、人間が戦争や暴力の魅力に取りつかれる危険性と、それが精神や人格に及ぼす影響が込められている。
「人を狩ることほどの狩猟は存在しない」という部分は、戦争や武力行為が他のどの体験とも異なる特別な感覚を伴うことを示している。人間を狩るという極限的な状況では、捕食者と被捕食者の関係が逆転し、サバイバルの本能がむき出しになる。ヘミングウェイは、この行為が持つ原始的な魅力を皮肉を込めて指摘している。
「その行為を気に入った者は、その後他の何にも興味を持たなくなる」という言葉は、戦争のスリルや緊張感に依存してしまう人間の心理を暗示している。戦争や戦闘が、日常生活では得られない刺激や充足感を提供する一方で、それが人間性を蝕み、他のすべてを無意味に感じさせる危険を含んでいることを示唆している。
この名言は、戦争や暴力の背後にある人間の本性や心理を鋭く描いている。現代社会においても、戦争の経験が個人や社会にどのような影響を及ぼすかを考える上で重要な洞察を与える。暴力の魅力とその代償を直視することで、人間性の複雑さを理解する手助けとなる言葉である。
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