「スイスは小さくて急峻な国で、横に広がるよりも縦に上がり下がりしている。そして、カッコウ時計風の建築様式で建てられた大きな茶色いホテルがそこかしこに立ち並んでいる」
- 1899年7月21日~1961年7月2日
- アメリカ出身
- 小説家、詩人、ジャーナリスト
- 『老人と海』や『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』などの名作を著し、1954年にノーベル文学賞を受賞した
英文
“Switzerland is a small, steep country, much more up and down than sideways, and is all stuck over with large brown hotels built on the cuckoo clock style of architecture.”
日本語訳
「スイスは小さくて急峻な国で、横に広がるよりも縦に上がり下がりしている。そして、カッコウ時計風の建築様式で建てられた大きな茶色いホテルがそこかしこに立ち並んでいる」
解説
この名言は、ヘミングウェイ特有のユーモアと観察力が感じられる一節であり、スイスの風景と文化を皮肉と親しみを込めて描写している。彼の視点は、スイスの地理的特徴と建築の象徴性を独特な言葉遣いで切り取っている。
「小さくて急峻な国」という表現は、スイスの山岳地帯の地形を端的に描いている。スイスはアルプス山脈を中心とした国であり、起伏に富んだ風景が特徴的だ。この「縦方向の広がり」を強調することで、地理的なリアルさを簡潔に伝えている。
「カッコウ時計風の建築様式」は、スイスの伝統的な木造建築や山間のホテルの特徴を風刺的に表現している。カッコウ時計はスイスの象徴的な工芸品として知られており、それを建築に例えることで、文化的なアイコンを軽妙に取り入れている。ヘミングウェイは、観光客向けのスイスの風景や文化が少し過剰に様式化されていることをほのめかしているとも解釈できる。
この名言は、ヘミングウェイの観察眼の鋭さと、簡潔でありながら絵画的な表現力を示している。同時に、観光地としてのスイスの特徴をユーモラスに批評している点で、彼のエッセイストとしての才能も垣間見える。スイスに関心がある読者にとっては、その国の風景を新たな視点で楽しむきっかけとなる言葉である。
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