「奴隷制度の反対者がその拡大を阻止し、それが最終的に消滅に向かうと公衆が信じるところまで持っていくか、あるいは奴隷制度の支持者がそれを推し進め、古い州も新しい州も、北部も南部も、全ての州で合法となるまで拡大させるか、いずれかである」

エイブラハム・リンカーン
エイブラハム・リンカーンの名言
  • 1809年2月12日~1865年4月15日
  • アメリカ出身
  • 政治家、弁護士
  • 第16代アメリカ合衆国大統領として、隷解放宣言を発布し、南北戦争を指導して国家の統一を維持した

英文

”Either the opponents of slavery will arrest the further spread of it and place it where the public mind shall rest in the belief that it is in course of ultimate extinction, or its advocates will push it forward, till it shall become alike lawful in all the States – old as well as new – North as well as South.”

日本語訳

「奴隷制度の反対者がその拡大を阻止し、それが最終的に消滅に向かうと公衆が信じるところまで持っていくか、あるいは奴隷制度の支持者がそれを推し進め、古い州も新しい州も、北部も南部も、全ての州で合法となるまで拡大させるか、いずれかである」

解説

この名言は、奴隷制度の存廃を巡るアメリカ社会の分岐点を明確に指摘している。リンカーンは、奴隷制度をめぐる妥協がもはや不可能であることを強調し、国家が奴隷制の完全廃止を目指すか、逆に全面的な合法化へ向かうかの二者択一であると述べている。この考え方は、1858年の「分裂した家」演説にも通じるもので、南北戦争の予兆を示している。

彼の主張は、奴隷制度が単に南部だけの問題ではなく、国家全体の未来を左右する根本的な問題であるという認識に基づいている。奴隷制度が広がれば、それは自由州の価値観を侵食し、民主主義そのものの危機を招くと考えた。リンカーンの目標は、奴隷制度を「最終的に消滅する運命にある」と認識させることで、公共の意識を転換し、国家を統一することにあった。

現代において、この名言は、社会的な正義を巡る戦いにおける決断の重要性を示している。例えば、人権や環境問題に対する取り組みでも、曖昧な妥協ではなく、最終的な解決を目指す方向性が求められる。この言葉は、問題の核心に向き合い、決断を先延ばしにせず行動することの重要性を訴えるものである。

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