「親愛なる母が言うように、私たちは原則を定め、それから逸脱してはならないというのはまったくその通りです。国王は祖父のような弱点を持つことはないでしょう。お気に入りの者を作らないことを願っていますが、彼はあまりにも温和で、優しすぎるのではないかと心配です。どうぞ安心してください。私が国王に多大な出費をさせることはありません」

マリー・アントワネット
マリー・アントワネットの名言
  • 1755年11月2日~1793年10月16日
  • 神聖ローマ帝国オーストリア公国出身
  • 王妃
  • ファッションや文化に影響を与え、宮廷生活の華やかさを象徴した

英文

“My dear mamma is quite right when she says that we must lay down principles and not depart from them. The king will not have the same weaknesses as his grandfather. I hope that he will have no favorites; but I am afraid that he is too mild and too easy. You may depend upon it that I will not draw the king into any great expenses.”

日本語訳

「親愛なる母が言うように、私たちは原則を定め、それから逸脱してはならないというのはまったくその通りです。国王は祖父のような弱点を持つことはないでしょう。お気に入りの者を作らないことを願っていますが、彼はあまりにも温和で、優しすぎるのではないかと心配です。どうぞ安心してください。私が国王に多大な出費をさせることはありません」

解説

この発言は、マリー・アントワネットが母であるマリア・テレジアに宛てた手紙の中で述べたとされるもので、彼女がフランス宮廷での役割に対して自覚を持ち、責任を果たそうとする姿勢を示している。一方で、夫であるルイ16世の性格についての不安や、王室財政に対する慎重な態度もうかがえる。

マリー・アントワネットはオーストリア出身の皇女として、母マリア・テレジアから厳格な教育を受けていた。彼女はフランス宮廷においてオーストリアの利益を守るという使命を背負いながらも、次第に宮廷の浪費的な生活に染まったことで批判を浴びた。しかし、この発言は、初期の彼女がいかに真剣に役割を果たそうとしていたかを示している。特に、「原則を定め、それに従う」という母の教えを重視する姿勢から、当時の彼女が持っていた倫理観や実直さが読み取れる。

現代において、この言葉は指導者や責任ある立場に立つ者が、自らの原則を確立し、それに基づいて行動する重要性を教えている。また、ルイ16世に対する温和で優柔不断な性格の指摘は、リーダーシップにおいて決断力の欠如がいかにリスクを伴うかを示唆している。この発言が彼女のものとして残されていることは、歴史における人間関係や権力の力学を考察する貴重な手がかりといえる。

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