「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」
- 1755年11月2日~1793年10月16日
- 神聖ローマ帝国オーストリア公国出身
- 王妃
- ファッションや文化に影響を与え、宮廷生活の華やかさを象徴した
英文
“Let them eat cake.”
日本語訳
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」
解説
この有名な言葉はマリー・アントワネットが発したと広く信じられているが、実際には彼女の発言である証拠はなく、むしろ彼女に対する悪意やプロパガンダの一環として流布されたものであると考えられている。フランス革命期の厳しい食糧不足の際に、貴族階級の無知や無関心を象徴する言葉として後世に伝えられたが、同時代の記録や信頼できる証拠にはこの言葉の出所が確認されていない。
実際、この言葉はルソーの著書『告白』に登場しており、無名の「ある王女」が言ったとされるものだが、これはルソーがマリー・アントワネットの登場する以前に執筆したものである。このことから、この言葉を彼女に帰するのは歴史的誤解に基づく可能性が高い。革命期の市民は、王妃を贅沢や無関心の象徴とみなしたため、このような言葉を彼女のものとして語り継ぐことで、反感を煽ったのだろう。
この逸話は、歴史がどのようにして偏見やプロパガンダによって形成されうるかを示している。現代においても、情報の真偽を確認し、文脈や背景を理解することの重要性を教えている。名言として広まった言葉が必ずしも事実に基づくとは限らないという良い例である。
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