「人は自らの物質的な所有物を自分だけのものと考えるべきではなく、必要としている他者がいるときにはためらわず分かち合うべき共通のものと考えるべきである」
- 1225年頃~1274年3月7日
- シチリア王国(イタリア)出身
- 神学者、哲学者
- スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した
英文
“Man should not consider his material possession his own, but as common to all, so as to share them without hesitation when others are in need.”
日本語訳
「人は自らの物質的な所有物を自分だけのものと考えるべきではなく、必要としている他者がいるときにはためらわず分かち合うべき共通のものと考えるべきである」
解説
この言葉は、アクィナスが物質的な所有と分かち合いの精神について述べたものである。彼は、物質的な所有物を個人のものとするのではなく、必要としている他者と分かち合う共通のものとして捉えるべきだと考えた。この考え方は、私有財産の価値を否定するものではなく、むしろ所有物を他者のために利用するという利他的な精神を強調している。
現代においても、経済的不平等や資源の偏在が問題視される中で、共生と共有の精神が重要視されている。個人が得た資産を必要としている人々と分かち合うことは、社会全体の福祉や公平性に寄与するものとして理解される。アクィナスの言葉は、物質的な所有が社会全体に貢献する手段であるべきという価値観を示している。
日常生活においても、この教えは他者への思いやりと助け合いの姿勢を育むための指針となる。たとえば、物資や資源を他者と分かち合うことで、個人の利益だけでなく、周囲の人々や社会の利益にも寄与することができる。物質的な所有を共通のものと考え、必要なときに惜しまず共有する心が、豊かで調和のある社会を築く助けとなる。
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