「偽造者や犯罪者が世俗の権力によって死刑に処されるならば、異端の罪で有罪とされた者を破門し、場合によっては死刑にする理由はさらに多い」

トマス・アクィナス
トマス・アクィナスの名言
  • 1225年頃~1274年3月7日
  • シチリア王国(イタリア)出身
  • 神学者、哲学者
  • スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した

英文

“If forgers and malefactors are put to death by the secular power, there is much more reason for excommunicating and even putting to death one convicted of heresy.”

日本語訳

「偽造者や犯罪者が世俗の権力によって死刑に処されるならば、異端の罪で有罪とされた者を破門し、場合によっては死刑にする理由はさらに多い」

解説

この言葉は、アクィナスが異端に対する処罰について述べたものである。彼は、社会秩序を乱す行為と異端の罪を比較し、異端が宗教的秩序を脅かすため、世俗の犯罪以上に厳しい処罰が適用されるべきだと主張している。中世において、宗教と社会秩序は密接に結びついており、異端は単なる思想の違いではなく、社会の安定を脅かす行為と見なされていた。

現代の視点から見ると、信仰や思想に対する自由が広く認められており、このような考えは時代遅れに映るかもしれない。しかし、この言葉は、当時の宗教的秩序と道徳的価値がどれほど重視されていたかを理解する上で重要である。アクィナスにとって、異端は神と社会全体への挑戦とみなされており、厳格な処罰が必要だと考えられていた。

この考えは、現代の宗教や倫理に対する価値観とは異なるが、歴史的な背景を理解することで、人々が社会秩序を守るためにいかに厳格な基準を設けていたかがわかる。社会の基盤となる価値観が変わると、法律や処罰のあり方も変化するため、この言葉は社会規範の変遷を考える際に参考となる。

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