「およそ、その道を理解すれば、その道を体現する人を慕い、その人を理解すれば、その人が属する国や時代を慕うのは人の自然な感情である」

吉田松陰の名言
吉田松陰の名言
  • 1830年9月20日~1859年11月21日
  • 日本(江戸時代・長州藩)出身
  • 思想家、教育者、尊王攘夷運動家
  • 松下村塾を開いて多くの志士を育成し、明治維新の精神的指導者として知られる。積極的な海外進出と国家改革を訴え、幕末日本の近代化に大きな影響を与えた。志半ばで処刑されるも、その思想は後世に受け継がれた。

原文

「凡そ其の道を知りては則ち其の人を慕ひ、其の人を知りては則ち其の国と世とを慕ふは人の情なり」

現代語訳

「およそ、その道を理解すれば、その道を体現する人を慕い、その人を理解すれば、その人が属する国や時代を慕うのは人の自然な感情である」

解説

この言葉は、吉田松陰が理想と人物、そして国家への情愛の連なりを説いたものである。まず、ある道義や思想に感銘を受ければ、その道を体現している人物に対して尊敬と親しみを抱くようになり、さらにその人物の属する国や時代にも自然と敬愛の念を抱くという、人間の感情の流れを指摘している。松陰自身も、尊王攘夷の思想を通じて日本とその伝統を深く愛した背景があり、この言葉には思想と現実を結びつける熱い情熱が込められている。

現代においても、この考え方は普遍的である。ある思想や文化に共鳴することで、その文化を育んだ人物や社会を自然に敬愛する気持ちが芽生える。これにより、単なる理論的な理解にとどまらず、文化や歴史への深い共感と尊重が生まれる。松陰は、道を学ぶことが人間関係や社会への愛情を育てる起点となることを教えている。

例えば、民主主義の理念に感動した者が、その精神を体現した偉人に憧れ、やがてその国の歴史や文化に親しみを持つようになるように、思想から人へ、人から国へと愛情は広がる。吉田松陰は、理念を学び、人物を慕い、世界を愛するという、人間としての健全な感情の成長を促す道筋を明確に示しているのである。

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