「おおよそ子どもが賢くなるのも愚かになるのも、善く育つのも悪く育つのも、大体は父母の教育によるものである」

- 1830年9月20日~1859年11月21日
- 日本(江戸時代・長州藩)出身
- 思想家、教育者、尊王攘夷運動家
原文
「凡そ人の子のかしこきも、おろかなるも、よきも、あしきも、大てい、父母のをしへに依る事なり」
現代語訳
「おおよそ子どもが賢くなるのも愚かになるのも、善く育つのも悪く育つのも、大体は父母の教育によるものである」
解説
この言葉は、吉田松陰が家庭教育の重要性を説いたものである。幕末という激動の時代にあって、国家や社会を支えるのは結局のところ個人の資質と人格であり、その根本は幼少期における父母の教えにあるという考えを示している。当時、教育機関が限られていたこともあり、家庭こそが人間形成の第一歩であるという認識は極めて現実的であった。
現代においても、この指摘は変わらぬ重みを持つ。学校教育が発達した今日であっても、人格の基礎や価値観の形成は家庭環境に強く左右される。親の態度や言葉遣い、日常の振る舞いが、子どもの将来に大きな影響を及ぼすことは、多くの心理学的研究でも裏付けられている。
例えば、思いやりのある子どもは、親が普段から他者を尊重する態度を見せている家庭で育つことが多い。他方、暴力的な言動に慣れた家庭で育った子どもは、問題行動を起こすリスクが高まる。このように、父母の教えが子どもの一生を左右するという吉田松陰の言葉は、今日でも深く胸に刻むべき教訓である。
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