「男女相互の経済上の独立を顧慮しない恋愛結婚は不備な結婚であって、今後の結婚の理想とすることができません」

- 1878年12月7日~1942年5月29日
- 日本出身
- 歌人、作家、思想家
原文
「男女相互の経済上の独立を顧慮しない恋愛結婚は不備な結婚であって、今後の結婚の理想とすることができません」
解説
この言葉は、恋愛感情だけに頼った結婚の脆さを指摘している。与謝野晶子は、恋愛の自由を重んじる一方で、経済的基盤の欠如が結婚生活を不安定にし、愛情の維持を困難にする現実を見抜いていた。彼女は、真に自由で持続的な結婚を築くためには、男女双方が経済的に自立することが不可欠であると考えたのである。
この発想は、当時として非常に先進的であった。明治・大正期の日本では、女性は家父長制の下で経済力を持たず、男性に依存する結婚が常識とされていた。しかし晶子は、男女平等の観点から、経済的自立を伴う恋愛結婚こそが理想であると説いた。これは、彼女の女性解放思想と結婚観の核心を示す言葉であり、時代の価値観に挑戦する革新的な意見であった。
現代においても、この言葉は強い意味を持つ。例えば、結婚後の経済的負担が一方に偏ると、関係に不平等や不満が生じやすい。夫婦双方が職業を持ち、経済力を共有することが、安定と相互尊重を支える鍵となっている。与謝野晶子のこの指摘は、現代社会における共働きやキャリア重視の風潮を先取りした思想として、今なお有効である。
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