「人間は何事にせよ、自己に適した一能一芸に深く達してさえおればよろしい」

与謝野晶子の名言・格言・警句(画像はイメージです)
与謝野晶子の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1878年12月7日~1942年5月29日
  • 日本出身
  • 歌人、作家、思想家

原文

「人間は何事にせよ、自己に適した一能一芸に深く達してさえおればよろしい」

解説

この言葉は、人間の価値や幸福は、広範な才能ではなく、自らに適した特定の分野での深い探究にあるという考えを示している。与謝野晶子は、あらゆる分野に通じる万能性を求めるのではなく、自分に合った能力や芸術を見つけ、それを徹底的に磨くことこそ、人生を充実させる鍵であると述べている。この視点は、無理に他者と同じ基準で競うことよりも、個々の特質を尊重する思想に基づいている。

この思想は、近代日本における教育や社会の価値観に対する批判でもあった。当時は、近代化に伴い幅広い知識や教養を身につけることが理想とされ、均一な能力を求める風潮が強かった。晶子はそうした価値観に異を唱え、個性を生かした専門性の追求が、人間の真の生き方であると主張したのである。

現代においても、この言葉は大きな意味を持つ。グローバル化と高度情報化社会では、オールラウンダーよりも、強みを発揮できる専門性を持つ人材が重視される傾向にある。例えば、科学者、アーティスト、エンジニアなど、一分野での卓越した能力は、自己実現だけでなく社会的価値を生む。この名言は、自分に適した分野を深めることが、幸福と成功を結びつけるという普遍的な真理を語っているのである。

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