「人生は個人生活、国民生活、世界生活のいずれに偏しても幸福でありません」

- 1878年12月7日~1942年5月29日
- 日本出身
- 歌人、作家、思想家
原文
「人生は個人生活、国民生活、世界生活のいずれに偏しても幸福でありません」
解説
この言葉は、人生のバランスの重要性を説いている。人間は、個人的な欲求や幸福を追求するだけでなく、社会や国家、さらには世界全体の中で生きる存在である。しかし、どれか一つに偏ると、視野が狭まり、真の幸福から遠ざかるという指摘である。つまり、個人の幸福と社会全体の調和を共に考えることが、豊かな人生には不可欠だという思想が込められている。
この考えは、与謝野晶子が生きた近代日本の背景と深く関係する。当時は、国家主義が強まり、国民としての義務や犠牲を過度に求める風潮があった。晶子は、そうした時代にあって、国家や世界の平和を否定するのではなく、個人の自由や幸福を守りつつ、全体との調和を図る道を模索した。これは、彼女の個人主義と社会意識の両立という特徴を示している。
現代においても、この言葉は強い示唆を与える。例えば、グローバル化が進む現代社会では、個人の幸福追求と、国際的な課題(環境問題や平和)への責任の間で葛藤が生じることが多い。この名言は、極端な個人主義や過度な国家主義に警鐘を鳴らし、バランスを取ることこそが持続的な幸福の鍵であると教えている。
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