「人が親となることは、親となる資格を備えている人という制限を超えない範囲で望ましいことである」

- 1878年12月7日~1942年5月29日
- 日本出身
- 歌人、作家、思想家
原文
「人が親となることは、親となる資格を備えている人という制限を超えない範囲で望ましいことである」
解説
この言葉は、親となることの責任と資質の重要性を強調している。与謝野晶子は、親になること自体は自然で望ましいことであると認めつつ、誰もが無条件で親になるべきではないと指摘している。親としての資格とは、単に生物学的な能力だけでなく、子どもを育てるための精神的・倫理的・経済的な条件を意味していると考えられる。この視点は、子どもの幸福を第一に考えた発想に基づいている。
この考えは、明治・大正期の社会状況において画期的であった。当時は、結婚や出産は社会的義務や家制度の中で当然視され、親の資質や準備に対する意識はほとんどなかった。しかし晶子は、家庭や子育ての質が社会の未来を左右することを洞察し、責任ある親のあり方を問うた。これは、女性解放の思想とともに、家庭教育や人格形成を重視する近代的価値観を示している。
現代においても、この言葉は鋭い示唆を与える。親になることを望む場合、子どもの育成に必要な条件を備えているかを自覚することは、少子化や育児放棄、児童虐待などの問題に直結する。経済的安定だけでなく、愛情や教育への意識、精神的成熟が不可欠であるという晶子の指摘は、今なお普遍的な課題であるといえる。
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