「我々は『土地と平和の交換』を基盤とし、国連決議242および338、ならびにパレスチナ人民の正当な権利を実現するためのその他の国際的決定に基づいて和平プロセスを開始した」

- 1929年8月24日~2004年11月11日(75歳没)
- パレスチナ出身
- 政治家、パレスチナ解放機構(PLO)議長、ノーベル平和賞受賞者
英文
“We started the peace process on the basis of land for peace and on the basis of U.N. resolution 242 and 338, as well as other international decisions on achieving the legitimate rights of the Palestinian people.”
日本語訳
「我々は『土地と平和の交換』を基盤とし、国連決議242および338、ならびにパレスチナ人民の正当な権利を実現するためのその他の国際的決定に基づいて和平プロセスを開始した」
解説
この言葉は、アラファトがパレスチナ和平の法的・国際的正当性を強調した発言である。和平は単なる政治的妥協ではなく、国連決議と国際社会の合意を根拠とするものであり、特に「土地と平和の交換」という原則は中東和平の基本枠組みであった。アラファトはこれを明示することで、和平プロセスが国際法に裏打ちされた正統なものであることを示そうとした。
背景には、1967年の第三次中東戦争後に採択された国連安保理決議242(占領地からの撤退と全ての国家の平和共存の権利を確認)と、1973年の第四次中東戦争後の決議338(即時停戦と決議242の完全実施要求)がある。これらはイスラエルとアラブ諸国の和平交渉の基盤とされ、アラファトはパレスチナの権利を守る国際的枠組みとして活用したのである。
現代においても、この発言は和平交渉における国際法の重みを示す。パレスチナ問題は単なる地域紛争ではなく、国際的合意を基盤とした解決が求められる課題である。アラファトの言葉は、対話と交渉が正義と安定をもたらすためには、歴史的決議と国際法に基づくことが不可欠であることを明確にしているのである。
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