「私は片手にオリーブの枝を、もう一方の手に自由の戦士の銃を携えてやって来た。どうか私の手からオリーブの枝を落とさせないでほしい」

ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
  • 1929年8月24日~2004年11月11日(75歳没)
  • パレスチナ出身
  • 政治家、パレスチナ解放機構(PLO)議長、ノーベル平和賞受賞者

英文

“I come bearing an olive branch in one hand, and the freedom fighter’s gun in the other. Do not let the olive branch fall from my hand.”

日本語訳

「私は片手にオリーブの枝を、もう一方の手に自由の戦士の銃を携えてやって来た。どうか私の手からオリーブの枝を落とさせないでほしい」

解説

この言葉は、1974年にアラファトが国連総会で行った歴史的演説の中で述べた最も有名な一節である。オリーブの枝は平和の象徴であり、自由の戦士の銃は抵抗と解放闘争の象徴である。アラファトはここで、パレスチナ人が和平の道を望んでいる一方で、権利を否定されれば闘争を続けざるを得ないという二重の現実を世界に訴えたのである。

背景として、この演説はPLOが初めて国連の場で自らの主張を直接表明した重要な機会であった。当時、PLOは多くの国から「テロ組織」と見なされていたが、アラファトは和平への意志と抵抗の正当性を同時に掲げることで、国際社会の理解と承認を求めた。この発言は、その後のパレスチナ外交の方向性を決定づけた歴史的転換点となった。

現代においても、この言葉は和平と抵抗のはざまに立つ民族解放運動のジレンマを象徴する。対話の道が閉ざされれば暴力が再燃し、逆に権利が認められれば平和が進展する。アラファトの言葉は、平和を選ぶためには国際社会の責任ある対応が不可欠であることを今もなお訴え続けているのである。

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