「私は平和会議の共同提唱国であるロシアとアメリカ合衆国に対し、平和プロセスがより大きな一歩を踏み出せるよう、その進展に貢献し、すべての障害を克服する手助けをすることを求める」

ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
ヤセル・アラファト(画像はイメージです)
  • 1929年8月24日~2004年11月11日(75歳没)
  • パレスチナ出身
  • 政治家、パレスチナ解放機構(PLO)議長、ノーベル平和賞受賞者

英文

“I call on Russia and the United States of America, the cosponsors of the peace conference, to help the peace process take bigger steps by contributing to the process and helping to overcome all obstacles.”

日本語訳

「私は平和会議の共同提唱国であるロシアとアメリカ合衆国に対し、平和プロセスがより大きな一歩を踏み出せるよう、その進展に貢献し、すべての障害を克服する手助けをすることを求める」

解説

この言葉は、アラファトが中東和平における大国の役割を明確に訴えたものである。和平は当事者だけでは進めにくく、国際社会、とりわけ影響力を持つ大国の関与が不可欠であるという現実を反映している。特にアメリカとロシアは冷戦後も中東に強い影響力を保持していたため、彼らの協力は和平の成否を左右する要因であった。

背景には、1991年のマドリード中東和平会議がある。この会議はアメリカとソ連(のちにロシア)が共同提唱し、アラブ諸国とイスラエルが初めて公式に交渉の場についた歴史的出来事であった。アラファトの呼びかけは、この枠組みを活用しつつ、障害を乗り越えるための国際的支援の継続を求めたものである。

現代においても、この発言は地域紛争の解決には大国の建設的関与が必要であることを示す。和平は当事者間の合意だけでなく、外部の支援によって支えられて初めて実現する。アラファトの言葉は、国際政治における協力と調整の重要性を示す象徴的なメッセージなのである。

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