「私は熱中しているが、飛行機の正しい構造について独自の理論を振りかざすような変人ではない。既に知られていることすべてを活用し、可能であれば、将来最終的な成功を収める人の助けとなるよう、わずかながら貢献したいと思っている」

ウィルバー・ライト
- 1867年4月16日~1912年5月30日
- アメリカ合衆国出身
- 発明家、航空技術者、起業家
- 弟オーヴィル・ライトと共に人類初の動力飛行機による有人飛行に成功し、航空時代の幕を開いた。
オーヴィル・ライト
- 1871年8月19日~1948年1月30日
- アメリカ合衆国出身
- 発明家、航空技術者、起業家
- 兄ウィルバー・ライトと共に人類初の動力飛行機による有人飛行を達成し、航空時代の幕を開いた。
英文
“I am an enthusiast, but not a crank in the sense that I have some pet theories as to the proper construction of a flying machine. I wish to avail myself of all that is already known and then, if possible, add my mite to help on the future worker who will attain final success.”
日本語訳
「私は熱中しているが、飛行機の正しい構造について独自の理論を振りかざすような変人ではない。既に知られていることすべてを活用し、可能であれば、将来最終的な成功を収める人の助けとなるよう、わずかながら貢献したいと思っている」
解説
この名言は、科学的謙虚さと共同的探究の精神を表している。ウィルバー・ライトは、自身の研究が独自の思い込みや奇抜な理論に基づいたものではなく、既存の知識を尊重し、それを基盤に進めていることを明言している。これは、科学や工学における実証と体系性の重要性を理解した姿勢である。
また彼は、自らが飛行機開発の歴史において「最終的な成功者」ではないかもしれないという認識を持ちながらも、その道を切り開く一助になれれば本望だという謙虚な姿勢を示している。このような考えは、科学史における多数の革新者――たとえばニュートンの「巨人の肩の上に立つ」という姿勢――と共通しており、知識の積み重ねによる進歩の重要性を体現している。
現代においても、研究や開発の現場では独創性と同時に、過去の蓄積をどう生かすかが問われる。ウィルバーの言葉は、他者の成果に学び、それに自分の力を少しでも重ねようとする姿勢が、最終的な成功へとつながるという普遍的な真理を伝えている。
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