「彼がいないことにさえ夢中になっている」

ウィリアム・シェイクスピア
ウィリアム・シェイクスピアの名言
  • 1564年4月26日~1616年4月23日
  • イングランド出身
  • 劇作家、詩人、俳優
  • 「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」、「マクベス」などの傑作を数多く執筆し、英文学に多大な影響を与えた

英文

“I dote on his very absence.”

日本語訳

「彼がいないことにさえ夢中になっている」

解説

この名言は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『アントニーとクレオパトラ』に登場する一節で、不在そのものを愛おしむという複雑な感情を表現している。シェイクスピアは、愛する人がいないという状況でさえ、その人への愛情や執着が募ることをこの言葉で示している。この「不在への夢中さ」は、ただの距離感以上に、心がその人物に支配されていることを暗示しており、いないからこそ愛がより一層強く感じられるという、人間の繊細な感情を表している。

この言葉は、現代においても愛や執着が不在によってさらに深まるという普遍的な心理をよく捉えている。愛する人がそばにいないとき、かえってその人の存在が大きく感じられ、思い出が美化されることがある。たとえば、遠距離恋愛やしばらく会えない関係では、相手の不在が愛情を強め、その人への思いが膨らむことがある。シェイクスピアは、愛の強さが物理的な距離や不在によって試され、さらなる執着や情熱が生まれるということを示している。

また、この名言は、心の中での愛の存在感についても触れている。不在であるがゆえに、心の中でのその人の存在がより濃密になり、離れていることでかえって強く意識されることがある。シェイクスピアは、物理的な不在が、感情の中でさらに強い結びつきを生む可能性を描写している。

この言葉は、離れているからこそ強まる愛情や執着の重要性を教えてくれる。シェイクスピアは、不在という状況が必ずしも愛情を冷ますのではなく、時には逆に愛情を深める要因となり得ることを示しているのである。

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