「慎重さとは、裕福だが醜い老処女であり、無能によって求婚されるものだ」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”Prudence is a rich, ugly, old maid courted by incapacity.”
日本語訳
「慎重さとは、裕福だが醜い老処女であり、無能によって求婚されるものだ」
解説
この言葉は、過度の慎重さを皮肉った比喩である。ブレイクは、人生や芸術において過剰な用心深さが、人を不自由にし、真の創造や行動を妨げると考えた。ここで「醜い老処女」という表現は、慎重さが魅力に欠け、活力や情熱を奪う存在として描かれている。そして、それを求めるのは「無能(incapacity)」であり、挑戦できない者が慎重さにしがみつく姿を表している。
歴史的に見ると、ブレイクは啓蒙時代の「理性と秩序」を絶対視する価値観に批判的であった。彼にとって、真の人間の成長や文明の進歩は、理性や安全策ではなく、想像力と情熱による大胆な行為に支えられていた。したがって「prudence(慎重さ)」は停滞を招くものとして嘲笑される。
現代においても、失敗を恐れて行動を避ける人々は少なくない。ブレイクの言葉は、慎重さそのものは必要だが、それが人生の主導原理となれば無能と同義になることを警告している。挑戦と失敗の中にこそ、成長や創造の契機があるのだ。
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