「詩が縛られれば、人類もまた縛られる。国々はその詩や絵画や音楽が滅ぶか栄えるかに応じて、滅びもすれば繁栄もする」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”Poetry fettered, fetters the human race. Nations are destroyed or flourish in proportion as their poetry, painting, and music are destroyed or flourish.”
日本語訳
「詩が縛られれば、人類もまた縛られる。国々はその詩や絵画や音楽が滅ぶか栄えるかに応じて、滅びもすれば繁栄もする」
解説
この言葉は、芸術と人類の自由や繁栄との密接な関係を説いている。ブレイクにとって詩や芸術は単なる娯楽ではなく、人間の精神を解放し、社会を支える根源的な力であった。詩が抑圧されれば人間そのものが束縛され、逆に芸術が栄えるとき国もまた栄える。つまり、芸術は国家の存続と人間の自由の指標であるという思想である。
この視点は、18世紀末から19世紀初頭の社会状況と深く関わる。当時のイギリスは産業革命によって経済的繁栄を迎えた一方で、労働者の抑圧や芸術の商業化が進んでいた。ブレイクはそうした社会にあって、芸術の抑圧が精神的・社会的な荒廃を招くと警告した。彼の言葉は、芸術を軽視する国家の危うさを鋭く突いている。
現代においても、この名言は強い示唆を持つ。文化や芸術が衰退すれば社会は精神的に貧しくなり、やがて分断や荒廃を招く。逆に、詩や絵画、音楽といった表現が自由に栄える社会は人間の心を豊かにし、国家の繁栄につながる。ブレイクの言葉は、芸術の自由を守ることが人類全体の自由と繁栄を支えるという普遍的真理を示している。
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