「人には魂と切り離された身体など存在しない。身体と呼ばれるものは魂の一部であり、この時代において魂への主要な入口である五感によって認識されるにすぎない」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”Man has no Body distinct from his Soul; for that called Body is a portion of Soul discerned by the five Senses, the chief inlets of Soul in this age.”
日本語訳
「人には魂と切り離された身体など存在しない。身体と呼ばれるものは魂の一部であり、この時代において魂への主要な入口である五感によって認識されるにすぎない」
解説
この言葉は、身体と魂を分離する伝統的二元論を否定し、両者を一体のものとして捉えるブレイクの独自の思想を表している。彼にとって身体は単なる物質ではなく、魂の表れであり、五感を通じて魂が世界と関わる手段であった。つまり、身体は魂に従属するものではなく、魂の一部そのものとして理解されるべきだと主張している。
この思想は、デカルト的な心身二元論やキリスト教的な「肉体=罪」「魂=聖」という図式への批判として読むことができる。18世紀末のイギリス社会において、理性や霊的純粋さが称揚される一方で、身体的欲望や感覚はしばしば否定的に扱われた。ブレイクはこれに抗して、五感と身体を通じて魂は世界を知り、存在の全体性を実現すると考えたのである。
現代においても、この名言は示唆的である。科学や哲学においても、心身の相互作用は依然として重要なテーマであり、身体的経験が精神や意識の形成に不可欠であることは広く認識されている。ブレイクの言葉は、身体と魂の分離ではなく統合を強調し、人間存在を全体的に理解する視点を与えている。
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