「もしあなたが金融機関で、刑事訴追の脅威にさらされているなら、交渉する力などない」

- 1930年8月30日~
- アメリカ合衆国出身
- 投資家、実業家、慈善家
- 「オマハの賢人」と称され、長期的価値投資を実践して巨大投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる。世界有数の富豪でありながら質素な生活を貫き、近年は資産の大部分を慈善活動に寄付することを誓っている。現代を代表する投資家として世界的に知られている。
英文
“You have no ability, if you’re a financial institution and you’re threatened with criminal prosecution, you have no ability to negotiate”
日本語訳
「もしあなたが金融機関で、刑事訴追の脅威にさらされているなら、交渉する力などない」
解説
この言葉は、金融機関にとって刑事訴追のリスクがどれほど致命的かを鋭く指摘している。バフェットは、金融機関が法的な信用を失うと、存在そのものが危機に陥るため、訴追を回避するためにはどんな条件でも受け入れざるを得ない立場になることを述べている。信頼がすべての業界において、刑事リスクは絶対的な交渉力喪失を意味するという現実を、この言葉は冷徹に描き出している。
この名言の背景には、2008年の金融危機後に浮上した大手金融機関の不正問題がある。当時、多くの銀行が不良債権問題や詐欺的行為で批判を浴び、司法当局による刑事訴追の対象となるかどうかが生死を分ける局面を迎えた。バフェットは、金融機関がこうした状況下では自主的な条件交渉など不可能であり、ただ命乞いをするしかないという現実を理解していた。
具体例として、バフェットはゴールドマン・サックスに対する支援を行ったが、その際にも市場と法的リスクの両方を見極める冷静な判断を下している。金融機関が刑事訴追の対象になれば、顧客も取引先も一斉に信用を失い、崩壊が避けられないため、どれほど巨大な企業でも無力となる。信頼こそが金融機関の生命線であることを、この名言は厳しく教えている。
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