「民衆が粗野さと反抗の精神を失えば、圧政がこの国に入り込まぬ週も日も時もない」

ウォルト・ホイットマンの名言・格言・警句
ウォルト・ホイットマンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1819年5月31日~1892年3月26日
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、随筆家、ジャーナリスト

英文

”There is no week nor day nor hour when tyranny may not enter upon this country, if the people lose their roughness and spirit of defiance.”

日本語訳

「民衆が粗野さと反抗の精神を失えば、圧政がこの国に入り込まぬ週も日も時もない」

解説

この言葉は、自由を守るためには民衆の気骨と抵抗心が不可欠であるという警句である。ホイットマンは、圧政は常に潜在的に存在し、民衆が安逸や従順に流れれば、たちまち社会に浸透すると警告している。つまり、自由は与えられるものではなく、絶えざる反抗と警戒によってのみ維持されるという思想である。

この考えは、アメリカ民主主義の根底にある独立精神と深く結びついている。19世紀のアメリカは、急速な拡張と変革の時代であり、中央集権や権力集中への警戒が強かった。ホイットマンは詩人として、国家の繁栄を誇る一方で、民衆が闘志と自立心を失えば民主主義は形骸化すると予見していた。

現代においても、この言葉は普遍的な意義を持つ。専制や権威主義は、強制的に押し付けられるばかりでなく、人々が批判精神を失ったときに静かに浸透する。例えば、監視社会や情報操作は、市民が疑問を持たず従順になることで強化される。ホイットマンの言葉は、自由は不断の反抗心と精神の荒々しさによって守られるという警鐘を今も鳴らしているのである。

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