「宇宙の理論全体は、誤りなくただ一人の個人に向けられている」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”The whole theory of the universe is directed unerringly to one single individual.”
日本語訳
「宇宙の理論全体は、誤りなくただ一人の個人に向けられている」
解説
この言葉は、宇宙の壮大な秩序が個人に直結しているという思想を示している。宇宙は抽象的で遠いものではなく、最終的には一人ひとりの人間の存在や体験に結びついているという逆説的な真理である。ホイットマンは、個人を宇宙の中心に置き、普遍と個別の一致を強調している。
この考えは、『草の葉』に繰り返し現れるテーマである。彼は個人の身体や魂を讃美し、それが宇宙全体と共鳴する存在であると描いた。19世紀アメリカにおける民主主義の精神とも関連し、一人の人間の尊厳が全体の価値とつながるという理念を詩的に表現している。ホイットマンにとって、宇宙は巨大な仕組みであると同時に、個人の内なる感覚に宿るものであった。
現代においても、この言葉は重要な示唆を与える。科学的理論や哲学的体系はしばしば抽象的に語られるが、それが人間個人の生や幸福に還元されなければ意味を持たない。例えば、倫理や人権の思想も、結局は一人の人間にどう向けられるかが本質である。ホイットマンの言葉は、宇宙の理論は個人の存在によって完成するという人間中心的かつ普遍的な真理を指し示しているのである。
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