「合衆国そのものが本質的に最大の詩である」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”The United States themselves are essentially the greatest poem.”
日本語訳
「合衆国そのものが本質的に最大の詩である」
解説
この言葉は、国家を一つの詩として捉えるホイットマン独自の比喩を表している。彼にとって詩とは、単なる文学作品ではなく、生命と歴史、自然と人間が織りなす壮大な表現であった。したがって、多様な人々と文化が共存し、自由と民主主義の理念のもとに築かれたアメリカ合衆国そのものが、すでに「最大の詩」として存在していると見なしたのである。
この発想は、19世紀の国家形成期におけるアメリカの自己意識と深く関わっている。ヨーロッパの文化的伝統に依存するのではなく、新大陸に生まれた独自の経験と多様性を芸術的価値へと高めることが必要だった。ホイットマンはその役割を自らの詩作に担わせ、「アメリカそのものを詩として歌い上げる」ことで、民主主義と文化の新しい可能性を提示した。
現代においても、この言葉は象徴的な意味を持つ。国家や社会を固定的な制度ではなく、人々の生きた営みが紡ぎ出す物語として捉える視点は、文化的アイデンティティを考えるうえで重要である。ホイットマンの言葉は、アメリカだけでなく、あらゆる共同体がその成員の多様性と歴史によって「詩」となり得ることを示し、今なお民主主義の理念と芸術の結びつきを思考させる力を持っている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「ウォルト・ホイットマン」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い