「他国はその活力を少数の者や特定の階級に持つが、我々は民衆の大多数に活力を持っている」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”Other lands have their vitality in a few, a class, but we have it in the bulk of our people.”
日本語訳
「他国はその活力を少数の者や特定の階級に持つが、我々は民衆の大多数に活力を持っている」
解説
この言葉は、アメリカ民主主義の独自性を民衆の力に見出す視点を示している。ヨーロッパをはじめとする旧大陸の国家は、王侯貴族や知識階級といった一部の層が文化や政治を支配してきた。これに対してホイットマンは、アメリカの強みは支配層ではなく、一般の人々全体に活力と可能性が宿ることにあると強調している。
この考えは、19世紀アメリカの社会状況に根差している。独立と民主主義の精神のもとで、アメリカは新たな国民国家として、移民や労働者を含む多様な人々が国家の基盤を築いていた。ホイットマンはその姿を「合衆国の天才」と捉え、市民一人ひとりの生き方とエネルギーが国の活力を生むと讃美したのである。
現代においても、この言葉は普遍的な示唆を持つ。政治や経済の権力が少数のエリートに集中する社会では、持続的な発展や公平は望みにくい。逆に、教育や文化を通じて大多数の人々に活力が宿る社会は強靭である。ホイットマンの言葉は、真の国力は民衆の広がりの中にこそあるという民主主義の根本原理を鮮やかに表現しているのである。
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