「もし何かが神聖であるとすれば、人間の身体こそが神聖である」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”If any thing is sacred, the human body is sacred.”
日本語訳
「もし何かが神聖であるとすれば、人間の身体こそが神聖である」
解説
この言葉は、人間の身体そのものを最高の価値として尊ぶ思想を表している。宗教や社会はしばしば特定の場所や物を「聖なるもの」と定めてきたが、ホイットマンはそうした外的な象徴ではなく、生きる人間の肉体こそが神聖であると断言している。この発想は、身体を軽視し精神や霊魂を重んじる伝統的な価値観に対する逆説的な挑戦でもある。
この考えは『草の葉』の全体に流れるテーマであり、ホイットマンは人間の肉体を詩的に賛美した。彼にとって肉体は単なる物質ではなく、自然と宇宙を映し出す小宇宙であり、民主主義の根底にある平等性を体現するものでもあった。19世紀のアメリカにおいて、清教徒的な道徳観が強い中で、肉体を堂々と神聖と位置づける発想は、革新的で挑発的な意味を持っていた。
現代においても、この言葉は重要である。身体は医療や科学の対象であると同時に、尊厳をもって扱うべき存在である。例えば、人権の尊重や身体的自己決定権の議論は、この思想と深く結びつく。ホイットマンの言葉は、身体を卑下せず、むしろ尊ぶ姿勢を持つことが、人間の本質的な尊厳を守る道であると示している。
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