「私は人類に言う、神について好奇心を抱くなと。万物に好奇心を抱く私でさえ、神については好奇心を持たない。私はあらゆる物の中に神を聞き、神を見ているが、神を少しも理解してはいない」

ウォルト・ホイットマンの名言・格言・警句
ウォルト・ホイットマンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1819年5月31日~1892年3月26日
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、随筆家、ジャーナリスト

英文

”I say to mankind, Be not curious about God. For I, who am curious about each, am not curious about God – I hear and behold God in every object, yet understand God not in the least.”

日本語訳

「私は人類に言う、神について好奇心を抱くなと。万物に好奇心を抱く私でさえ、神については好奇心を持たない。私はあらゆる物の中に神を聞き、神を見ているが、神を少しも理解してはいない」

解説

この言葉は、神の本質は人間の理解を超え、探究すべき対象ではないというホイットマンの態度を示している。彼は自然や人間の存在に強い関心を寄せたが、神そのものを理論的に解き明かそうとはしなかった。むしろ、神はすべてのものに宿っており、経験として感じられるが、概念としては把握できないという逆説的な立場を取っている。

この考えは、19世紀アメリカの宗教的多様性と関係している。当時のアメリカでは伝統的キリスト教に加え、新興宗派や超越主義思想が台頭していた。ホイットマンは、特定の宗教教義に縛られるのではなく、自然や人間の営みに神性を見出す汎神論的な感性を示した。そのため、彼にとって「神」とは、理屈で説明するものではなく、世界そのものに遍在する力として直観的に受け止められる存在であった。

現代においても、この言葉は信仰や哲学の問題に重要な示唆を与える。科学的説明が進んだ時代でも、人は依然として「神」や「存在の根源」を理解しきれない。ホイットマンの言葉は、神を解釈の対象とするよりも、世界の中で直接体験し感じ取ることの大切さを強調している。そしてその態度は、宗教を超えた普遍的な精神性の在り方を示しているのである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「ウォルト・ホイットマン」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る