「私は敵に値したことは疑いない、しかし友に値したとは思えない」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”I no doubt deserved my enemies, but I don’t believe I deserved my friends.”
日本語訳
「私は敵に値したことは疑いない、しかし友に値したとは思えない」
解説
この言葉は、人間関係における謙虚さと友の存在の不可思議さを表している。人は自らの過ちや欠点によって敵をつくることは理解できるが、友が自分を支えてくれる理由は必ずしも明確ではない。そのため、友情は理屈を超えた贈り物のように感じられ、感謝と同時に不思議さを伴うのである。
この感覚は、ホイットマンの人間観や友情賛美の姿勢と響き合う。『草の葉』の中で彼は、人間同士の結びつきや連帯を生命の根源的な力として讃美した。しかし同時に、友情の価値は功績や能力ではなく、無条件に与えられる愛や信頼に基づくものであることを理解していた。したがって、友に値しないと感じる謙虚さの裏には、友情を奇跡のように尊ぶ精神が表れている。
現代においても、この言葉は強く共感を呼ぶ。社会的地位や利益に基づく関係が多い中で、無償の友情や信頼の絆はかけがえのないものとして実感される。人は敵を得ることに理由を見いだせても、真の友を得る理由は見つけにくい。ホイットマンの言葉は、友情を当然のものとせず、むしろ深く感謝すべき贈り物として捉える姿勢を教えているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「ウォルト・ホイットマン」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い