「アニメーションは他の分野とは異なる。その言語はカリカチュア(誇張表現)の言語なのだ。私たちにとって最も難しかったのは、人間や動物の『不自然でありながら自然に見える』アニメ的な身体構造を確立することだった」

ウォルト・ディズニーの名言(画像はイメージです)
ウォルト・ディズニーの名言(画像はイメージです)
  • 1901年12月5日~1966年12月15日
  • アメリカ合衆国出身
  • アニメーター、映画監督、実業家、プロデューサー
  • ミッキーマウスの生みの親として知られ、アニメーション映画産業を確立。ディズニーランドの創設者であり、エンターテインメントの象徴的存在として世界的に知られている。

英文

”Animation is different from other parts. Its language is the language of caricature. Our most difficult job was to develop the cartoon’s unnatural but seemingly natural anatomy for humans and animals.”

日本語訳

「アニメーションは他の分野とは異なる。その言語はカリカチュア(誇張表現)の言語なのだ。私たちにとって最も難しかったのは、人間や動物の『不自然でありながら自然に見える』アニメ的な身体構造を確立することだった」

解説

この言葉は、アニメーションという表現が、リアリズムではなく誇張と象徴の言語で成り立っていることを的確に指摘している。ウォルト・ディズニーは、アニメーションを単なる模倣ではなく、生命や感情を表現するためにデフォルメされた「動きの詩学」と捉えていた。その中で特に難しいのが、現実には存在しない動きや形を「現実らしく」感じさせるバランスである。

ディズニースタジオは、1920〜30年代から「スクワッシュ&ストレッチ」などのアニメーション原則を開発し、物理的には不可能でも感情的には納得できる動きを作り上げていった。それは、ミッキーの表情やバンビの歩き方、あるいはドナルドの怒り方などに顕著であり、観客が無意識に「そう感じる」と納得できるリアリティを目指していた。

この名言は、アニメーションが単なる技術や演出の集合ではなく、「見える嘘」を通じて「本当の感情」を届ける芸術であることを示している。現代の3DCGやAI生成映像でもこの原理は生きており、人間の感性に訴える表現とは何かという問いに対する、ディズニーの深い洞察が込められた一言である。

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