「大衆は凶暴な獣であり、鎖でつなぐか逃げるしかない」

ヴォルテール
ヴォルテールの名言
  • 1694年11月21日~1778年5月30日
  • フランス出身
  • 哲学者、文学者、歴史家
  • 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる

英文

“The public is a ferocious beast; one must either chain it or flee from it.”

日本語訳

「大衆は凶暴な獣であり、鎖でつなぐか逃げるしかない」

解説

ヴォルテールは、大衆の力が持つ危険性とその扱い方についての警告を込めている。彼が生きた18世紀のヨーロッパでは、啓蒙思想や新しい価値観が広まりつつも、大衆の意見や感情が一気に社会を動かすことが多かった。そのため、一度感情が煽られると、冷静さを失って過激な行動に走ることもあり、これが権力者にとっては制御し難い「獣」のように感じられたのだろう。ヴォルテールは、その不安定で時に破壊的な性質に対する対策として、大衆の力を鎖で制御するか、あるいは遠ざけるべきだと考えていた。

現代においても、大衆の意見や感情が社会や政治に大きな影響を与える場面は多い。SNSやメディアによって感情が一気に拡散され、集団の反応が過激になったり、意図しない方向に進んでしまうことがある。企業や公人が大衆の反応に応じて迅速に対応を迫られることが増えており、リーダーや公的な立場にある人々がいかに大衆の声を扱うかが難しい課題となっている。

この名言は、大衆の力を恐れずに向き合いつつも、その扱いに慎重であるべきという教訓を与えている。真実や公正さを貫くためには、冷静で柔軟な対応が求められるが、同時に大衆の感情に飲み込まれないための強い意志も必要である。ヴォルテールの言葉は、大衆の影響力に対する冷静な認識と、その適切な対応方法について考えさせられる示唆に富んでいる。

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