「天使がどこに住んでいるのか、空なのか、虚空なのか、あるいは惑星なのかは正確には分からない。それについて知ることは神の御意にかなっていないのだ」
- 1694年11月21日~1778年5月30日
- フランス出身
- 哲学者、文学者、歴史家
- 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる
英文
“It is not known precisely where angels dwell whether in the air, the void, or the planets. It has not been God’s pleasure that we should be informed of their abode.”
日本語訳
「天使がどこに住んでいるのか、空なのか、虚空なのか、あるいは惑星なのかは正確には分からない。それについて知ることは神の御意にかなっていないのだ」
解説
ヴォルテールのこの言葉は、神秘と知識の限界についての洞察を示している。18世紀は科学や哲学が飛躍的に進歩し、世界の謎に挑む時代であったが、同時に宗教的な教義が依然として影響力を持っていた。ヴォルテールは、天使という神秘的な存在に対する知識が人間には与えられていないことに注目し、人間の知識には限界があることを暗に示している。彼は、宇宙や神の意図について私たちがすべてを知ることができない現実を冷静に受け止めているのだ。
現代においても、この言葉は謙虚さと好奇心の重要性を教えている。科学技術が発展し、さまざまな謎が解明されてきたが、それでも宇宙や意識の真理、生命の起源など、解明できないことは多い。例えば、宇宙の起源や暗黒物質といった現代の科学的な未知の領域がそれに当たる。人間の知識が増えるにつれ、さらに深まる謎も存在するため、知識が有限であることを謙虚に認め、未知の領域を探究し続けることが求められる。
この名言は、知識が無限ではなく、謙虚な探求心が重要であることを思い出させる。神秘の存在や解明されていない事象に対する畏敬の念を持つことが、人間の知的な成長に不可欠である。ヴォルテールは、この言葉を通して人間の知識の限界と、それを超えたものに対する尊敬を促している。
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