「良き愛国者であるためには、人類の他の部分の敵とならなければならないというのは嘆かわしいことだ」

ヴォルテール
ヴォルテールの名言
  • 1694年11月21日~1778年5月30日
  • フランス出身
  • 哲学者、文学者、歴史家
  • 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる

英文

“It is lamentable, that to be a good patriot one must become the enemy of the rest of mankind.”

日本語訳

「良き愛国者であるためには、人類の他の部分の敵とならなければならないというのは嘆かわしいことだ」

解説

ヴォルテールは、愛国心がしばしば他国や他者に対する敵意を生むことを嘆いている。彼は、愛国心が自国の利益を優先するあまり、他の国や人々と対立する結果を生むことが多いと考えていた。この名言には、国家や民族に対する愛が排他的な形で発展し、時には他国や他文化に対する対立や偏見を生む現実への批判が込められている。啓蒙思想家であるヴォルテールは、理性と共感を通じて普遍的な人類愛を目指していたため、特定の国や文化を絶対視する愛国主義に対して警戒心を抱いていた。

現代においても、この言葉はナショナリズムや愛国心が時に排他主義や国際的な対立を生むことへの警鐘として重要である。多くの国や地域では、愛国心がその国のアイデンティティや団結を強化する一方で、他国や異文化に対する偏見や排斥的な態度を生むことがある。特に、国際的な紛争や貿易戦争など、愛国心が争いを助長し、他者への敵意や不信感を強めることが懸念される。ヴォルテールの言葉は、愛国心が他国の利益や人類全体への配慮を忘れるようなものであってはならず、より広い視野での共存が求められることを示している。

この名言は、愛国心が他者や他国への共感と矛盾しない形で発展することの重要性を教えている。自国を愛しつつも、他国の利益や人類全体の幸福にも配慮する視点を持つことで、真の意味での国際協力や平和が築かれる。ヴォルテールの言葉は、国家や文化の違いを超えて、共通の人類愛を基盤とする視点を持つことの大切さを示している。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る