「確かに、歴史とは犯罪と不幸の絵巻に過ぎない」
- 1694年11月21日~1778年5月30日
- フランス出身
- 哲学者、文学者、歴史家
- 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる
英文
“Indeed, history is nothing more than a tableau of crimes and misfortunes.”
日本語訳
「確かに、歴史とは犯罪と不幸の絵巻に過ぎない」
解説
ヴォルテールは、歴史が人間の残酷さや悲劇の連続であることを冷徹に表現している。彼は、歴史が栄光や偉業を描くだけでなく、戦争や迫害、権力の争いなど、多くの苦難と不正に満ちていることを指摘している。18世紀の啓蒙思想家として、ヴォルテールは歴史を理性の光で見つめ、過去の惨事や暴力の繰り返しに対する批判的な姿勢を持っていた。この言葉には、歴史が教訓とすべきものではあるが、その本質は決して美しいものではないという冷静な見方が込められている。
現代でも、この言葉は歴史の暗い側面を見つめることの重要性を教えている。私たちは歴史から学ぶことが多いが、それは人類が繰り返してきた戦争や差別、支配といった負の側面を直視しなければならないという意味も含まれている。歴史を通して平和や人権の大切さが学ばれる一方で、歴史の多くは勝者や権力者によって記録されているため、真実が歪められたり、都合よく描かれたりすることもある。ヴォルテールの言葉は、過去の栄光だけでなく、その裏にある苦悩と不正を見逃さない視点の必要性を示唆している。
この名言は、歴史を単なる過去の物語とせず、そこに潜む真実と教訓を探求する重要性を教えている。人間社会が進歩するためには、歴史の影の部分にも目を向け、そこから現在と未来に生かせる教訓を見出すことが必要である。ヴォルテールの言葉は、歴史を過度に美化せず、冷静に見つめ直すことの大切さを私たちに教えている。
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