「私は80年を生きてきたが、ただ、諦めてこう言うことを知ったに過ぎない。ハエはクモに食べられるために生まれ、人間は悲しみに飲み込まれるために生まれるのだと」
- 1694年11月21日~1778年5月30日
- フランス出身
- 哲学者、文学者、歴史家
- 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる
英文
“I have lived eighty years of life and know nothing for it, but to be resigned and tell myself that flies are born to be eaten by spiders and man to be devoured by sorrow.”
日本語訳
「私は80年を生きてきたが、ただ、諦めてこう言うことを知ったに過ぎない。ハエはクモに食べられるために生まれ、人間は悲しみに飲み込まれるために生まれるのだと」
解説
ヴォルテールは、長い人生を振り返り、最終的には人間の運命や苦しみが避けられないものだという、ある種の諦念を表現している。彼の言葉には、人生には多くの苦悩が付きまとうことや、誰もが運命的に悲しみや不幸に遭遇することが多いという現実が込められている。生きるうえでの苦しみや悲しみが避けがたいものであることを冷静に受け入れる一方で、それを大きな自然の流れの一部として理解する姿勢が表れている。
現代においても、この言葉は人間の運命や人生の苦難についての受容や、冷静な視点を考えさせる。たとえば、人生の中で避けられない不幸や困難に直面したとき、それを完全に拒絶するのではなく、ある程度は受け入れながら進むことで、逆に心の安定を保つことができる場合がある。現実の苦悩に対して無理に逆らうのではなく、それが人生の一部であると受け止めることもまた成熟した態度といえる。ヴォルテールの言葉は、自然や運命の中での人間の位置を冷静に理解し、そこに対する諦念を通じて生きることの一つの在り方を教えている。
この名言は、人生の不可避な苦しみや悲しみに対して、ある種の冷静な受容と、そこから来る安らぎを見出すことの大切さを示している。悲しみや苦しみも人生の一部として受け入れることで、無理に抗わず生きていくことができる。ヴォルテールの言葉は、運命に対する無駄な抵抗をやめ、人生の現実を静かに受け入れることで得られる心の平穏を示している。
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