「すべての国の歴史が示しているように、労働者階級は自力だけでは労働組合的意識しか発展させることができない」

ウラジーミル・レーニン
ウラジーミル・レーニンの名言
  • 1870年4月22日~1924年1月21日
  • ロシア帝国出身
  • 革命家、政治理論家、弁護士、国家指導者
  • ロシア革命を主導し、ソビエト連邦の建国者として知られる。マルクス主義を実践的に展開し、20世紀における共産主義運動の象徴的存在となった。

英文

”The history of all countries shows that the working class exclusively by its own effort is able to develop only trade-union consciousness.”

日本語訳

「すべての国の歴史が示しているように、労働者階級は自力だけでは労働組合的意識しか発展させることができない」

解説

この言葉は、レーニンが1902年に執筆した著作『何をなすべきか』において明確に述べた一節であり、彼の前衛党論を支える核心的主張である。レーニンはこの中で、労働者の自発的な闘争は最終的に経済的要求の範囲にとどまる傾向があるとし、社会主義的階級意識は外部からの理論的導入によって初めて形成されると論じた。

この主張は、当時ロシア社会民主労働党内で台頭していた「経済主義」――すなわち労働運動に理論は不要とする立場に対する強い批判であった。レーニンは、労働者階級を真の意味で解放するためには、マルクス主義理論に基づいた政治的教育と指導が不可欠であり、その役割を担うのが前衛党(ボリシェビキ)であると主張したのである。

現代においても、この命題は大衆運動における理論の必要性や、組織の役割を巡る議論において参照される。たとえば、労働者のストライキが賃上げ要求にとどまり、社会全体の制度変革に至らないケースがある中で、広範な社会的意識や政策提言がなければ変革は限定的になるという指摘は今なお有効である。この名言は、階級闘争における思想と組織の重要性を鋭く突いたレーニンの戦略的洞察を示すものである。

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