「帝国主義を最も簡潔に定義する必要があるなら、それは資本主義の独占段階であると言わねばならない」

- 1870年4月22日~1924年1月21日
- ロシア帝国出身
- 革命家、政治理論家、弁護士、国家指導者
英文
”If it were necessary to give the briefest possible definition of imperialism, we should have to say that imperialism is the monopoly stage of capitalism.”
日本語訳
「帝国主義を最も簡潔に定義する必要があるなら、それは資本主義の独占段階であると言わねばならない」
解説
この名言は、1916年に執筆されたレーニンの著作『帝国主義論』に明確に記されている言葉であり、彼の経済理論における核心的定義である。レーニンはこの中で、自由競争を特徴とする初期の資本主義がやがて独占資本によって支配される段階へと進化し、そこから帝国主義が生まれると論じた。すなわち、帝国主義とは単なる外交政策ではなく、経済構造の発展的帰結であるという理解に立脚している。
この定義によって、レーニンは植民地支配や資源争奪を、資本主義の必然的帰結として位置づけた。彼は、銀行と産業資本の統合、大企業による市場の寡占、そして国家による海外への進出が、資本の成長と利潤の最大化のために不可欠となると主張した。戦争もまたこの構造の延長線上にあると見なされた。
現代においても、この分析は多国籍企業の台頭やグローバル資本主義に対する批判的視点として参照される。資本の集中と国家の一体化が生み出す格差や対外侵略を読み解く理論的枠組みとして、国際政治経済の議論で一定の影響力を持ち続けている。帝国主義=資本主義の段階説というこの名言は、レーニン経済学の出発点に位置する言葉である。
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