「絶望とは、悪の原因を理解せず、出口を見いだせず、闘う力を持たない者に特有のものである。現代の工業プロレタリアートは、そのような階級には属していない」

ウラジーミル・レーニン
ウラジーミル・レーニンの名言
  • 1870年4月22日~1924年1月21日
  • ロシア帝国出身
  • 革命家、政治理論家、弁護士、国家指導者
  • ロシア革命を主導し、ソビエト連邦の建国者として知られる。マルクス主義を実践的に展開し、20世紀における共産主義運動の象徴的存在となった。

英文

”Despair is typical of those who do not understand the causes of evil, see no way out, and are incapable of struggle. The modern industrial proletariat does not belong to the category of such classes.”

日本語訳

「絶望とは、悪の原因を理解せず、出口を見いだせず、闘う力を持たない者に特有のものである。現代の工業プロレタリアートは、そのような階級には属していない」

解説

この言葉は、レーニンが1910年に発表した論考『トルストイの死について』の中に記されたものであり、階級闘争と意識の問題についての鋭い洞察を示している。彼はこの中で、文豪トルストイの抱えた宗教的・道徳的苦悩や絶望を「農民的世界観の限界」として批判し、近代プロレタリアートがそのような無力感に囚われる存在ではないことを明言した

この言葉は、社会の矛盾や苦しみに対して受動的・悲観的に構えるのではなく、原因を分析し、能動的に闘争する主体こそがプロレタリアートであるという思想に立脚している。つまり、絶望を乗り越える鍵は階級意識と組織的行動にあるという、レーニン特有の行動主義的マルクス主義が表れている。

現代においてもこの言葉は、社会的不平等や抑圧に直面する中で、「諦め」ではなく「理解と闘争」こそが変革をもたらす力であるという主張として有効である。政治的無力感が蔓延する時代において、知的洞察と集団的行動が絶望を乗り越える道であるというこの名言は、変革を志す者にとって強い鼓舞となりうる。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る