「私たちの心に大きな炎があったとしても、それで暖を取ろうとする者は誰もおらず、通りすがりの人々には煙がかすかに見えるだけである」

フィンセント・ファン・ゴッホの名言
フィンセント・ファン・ゴッホの名言
  • 1853年3月30日~1890年7月29日
  • オランダ出身
  • 画家、素描家
  • ポスト印象派を代表する画家として知られ、生前は無名であったが、死後に評価が高まり、近代絵画に多大な影響を与えた。『ひまわり』や『星月夜』などの作品で世界的に知られている。

英文

”There may be a great fire in our hearts, yet no one ever comes to warm himself at it, and the passers-by see only a wisp of smoke.”

日本語訳

「私たちの心に大きな炎があったとしても、それで暖を取ろうとする者は誰もおらず、通りすがりの人々には煙がかすかに見えるだけである」

解説

この言葉は内面の情熱や苦悩が、他者にはほとんど理解されないという孤独を示している。たとえ心に激しい思いを抱えていたとしても、それが外に伝わることは稀であり、人々はその片鱗としての「煙」しか目にしない。真の感情や創造的衝動は、しばしば他人にとって不可視であるという芸術家特有の苦悩が表れている。

このような感覚は、19世紀末の画家たち、特にフィンセント・ファン・ゴッホの生涯に深く結びついている。彼は生前ほとんど評価されず、経済的にも精神的にも苦しみ続けた。しかしその内面には、自然への畏敬や人間の苦しみへの共感といった、燃え盛るような創作衝動が確かに存在していた。それにもかかわらず、彼の周囲はその炎を理解せず、彼は孤独の中で創作を続けた。

現代においてもこの言葉は共感を呼ぶ。SNSや日常会話で表現される自己像は、あくまで「煙」であり、真の「火」は見えづらい。創造的な人間だけでなく、誰しもが抱える情熱や痛みが理解されずにすれ違ってしまうことは多い。だからこそ、他者の見えざる心に想像力を持つことが、現代社会において重要である。

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