「学問は孔子の教えに限らず、さまざまな書物を読むべきである。そのうえで、絵草紙のような娯楽的な本も一度は目を通すべきである」

- 1684年11月27日~1751年7月12日
- 日本出身
- 江戸幕府第8代将軍
原文
「学問は孔子の道計にも限らず数々の書籍を見るべし。其上絵草紙類迄も一見すべし」
現代語訳
「学問は孔子の教えに限らず、さまざまな書物を読むべきである。そのうえで、絵草紙のような娯楽的な本も一度は目を通すべきである」
解説
この言葉は、学問の広がりと柔軟性を強調したものである。徳川吉宗は江戸時代中期に享保の改革を行い、倹約や農政改革などで知られるが、その一方で知識の偏りを避け、幅広い学びを奨励した人物でもある。当時の学問は儒教、とりわけ朱子学に偏りがちであったが、吉宗はこれに固執することなく、より実学的で多様な知識を重視していた。この名言は、そうした姿勢を端的に示すものである。
現代においても、この考えは非常に有用である。一つの専門分野に閉じこもるのではなく、広い視野を持って多様な情報に触れることが、創造性や問題解決力を高める鍵である。たとえば、科学者が文学を読み、芸術家が科学を学ぶことで、新しい発想や融合的なアイデアが生まれる。同様に、ビジネスパーソンも経済書だけでなく歴史書や小説を読むことで、より深い洞察を得られる。
さらに、「絵草紙」にまで目を通すべきだと述べた点は重要である。これは、娯楽や庶民文化も知識や教養の一部であり、無駄ではないという寛容な価値観を示す。現代でいえば、マンガや映画、ネット文化といった大衆的な表現にも、社会や人間を理解するヒントが潜んでいるということである。この視点を持つことで、学問や知識はより生きたものとなり、人生や社会に役立つものとなるのである。
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