「心に欲望が生じたときは、困窮していたときのことを思い出すべきである」

- 1543年1月31日~1616年6月1日
- 日本出身
- 武将、戦国大名、江戸幕府初代将軍
原文
「こころに望みおこらば困窮したる時を思ひ出すべし」
現代語訳
「心に欲望が生じたときは、困窮していたときのことを思い出すべきである」
解説
この言葉は、欲望の制御と慎ましさの重要性を説いている。徳川家康は、若い頃に今川氏の人質となり、苦しい生活を送った経験を持つ。その後、天下を手中に収めたが、過度な欲望が人を滅ぼすことを深く理解していた。欲が膨らむと、無理な行動や判断を招き、やがて身を滅ぼす。そのため、欲が芽生えたときは、かつての苦難を思い返すことで、冷静さと節度を保つことができると教えている。
現代においても、過剰な欲望はトラブルや破滅を招く原因となる。企業の過大投資、個人の浪費やギャンブルなど、成功や豊かさを手に入れた後こそ慎重さが必要である。欲望を抑えられずに失敗する事例は多く、家康のこの教えは今なお有効である。欲望を制することは、長期的な安定と幸福を得るための第一歩なのである。
例えば、事業で一度成功した経営者が、さらなる利益を求めて無謀な拡張をすれば、倒産の危機を招くことがある。一方で、過去の困難を思い返し、慎重に判断する者は、安定を維持できる。家康の言葉は、豊かさに慢心せず、初心と謙虚さを忘れない重要性を現代に伝えている。
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