「戦争は不正を正す手段としてまったく無効であり、損失を償うどころか、かえって損失を増やすものである」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

”War is an instrument entirely inefficient toward redressing wrong; and multiplies, instead of indemnifying losses.”

日本語訳

「戦争は不正を正す手段としてまったく無効であり、損失を償うどころか、かえって損失を増やすものである」

解説

この名言は、戦争が正義の回復や損害の補償に寄与するどころか、むしろ破壊と損失を拡大させるだけの愚かな手段であるという厳しい批判を含んでいる。ジェファーソンは、暴力による解決は根本的な問題を解消せず、さらなる憎悪と混乱を招くだけだという信念を持っていた。

彼は外交による解決や理性的な対話を重視し、戦争を最後の手段ではなく、避けるべき愚行とみなしていた。独立戦争を経験した当事者でありながら、ジェファーソンは戦争が生む被害の大きさと、民衆に与える苦しみに深い懸念を抱いていた。この言葉には、国家としての報復や威信よりも、人命と道徳を優先すべきだという姿勢が現れている。

現代の紛争や戦争においても、武力による応酬が何ら恒久的な解決をもたらさないことは数多くの歴史が証明している。この名言は、感情や政治的利害に任せて戦争に踏み出すのではなく、長期的視点と倫理に基づく冷静な判断を持つべきだという普遍的なメッセージとして今なお重みを持っている。

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