「最も成功した戦争でさえ、その損失に見合う代償を得ることはほとんどない」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

”The most successful war seldom pays for its losses.”

日本語訳

「最も成功した戦争でさえ、その損失に見合う代償を得ることはほとんどない」

解説

この名言は、たとえ勝利で終わったとしても、戦争がもたらす犠牲や損害は決して正当化されるものではないという、ジェファーソンの平和主義的な姿勢を表している。彼は、軍事的成功の陰にある人命、資源、道徳の損失を直視し、それが「勝ったから良かった」と済まされる問題ではないと考えていた

特に18〜19世紀の欧米列強は、戦争によって領土や影響力を拡大していたが、ジェファーソンはそうした帝国主義的発想に距離を置き、真の国益とは戦争による一時的な成果ではなく、長期的な平和と安定にあると説いた。「成功した戦争」であっても、それによって失われるもの――兵士の命、市民の生活、社会的信頼、経済的資源、精神的後遺症など――は計り知れない。

現代においても、戦争の「勝利」はしばしば短期的・政治的な成果と結びつけられるが、この名言はその背後にある「失ったもの」の大きさと、回復不能な損害に目を向けよという倫理的な警告である。本当の勝利とは、戦争を避けること、あるいは戦わずして解決することにあるという普遍的な価値観が、この簡潔な一文に深く刻まれている。

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