「すべての国と平和、通商、誠実な友好を――しかし、いかなる複雑な同盟関係も結ばない」

- 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領
英文
”Peace, commerce and honest friendship with all nations; entangling alliances with none.”
日本語訳
「すべての国と平和、通商、誠実な友好を――しかし、いかなる複雑な同盟関係も結ばない」
解説
この言葉は、ジェファーソンが理想としたアメリカ外交の基本方針を明確に示したものである。彼は、国際社会との関係においては対立を避け、貿易と誠意ある交流を重視しつつも、相互依存や義務を生むような軍事同盟には加わるべきではないという「孤立主義」的立場をとった。
この方針の背景には、ヨーロッパ諸国が繰り返す戦争や政治的駆け引きに巻き込まれることへの強い懸念がある。ジェファーソンは、アメリカが独立したばかりの若い国家として、他国の争いに関与せず、自立と中立を保つことが最も賢明であると考えた。特に「entangling alliances(もつれた同盟)」という表現には、一度交われば抜け出せなくなるような危険な国際契約への警戒心が込められている。
現代では、グローバルな相互依存が進み、多国間の軍事・経済同盟が不可欠とされる場面も多いが、それでもこの名言は、外交における主権と慎重さ、そして誠実な関係の重要性を忘れさせない警句として生き続けている。利害によらず信義を重んじ、巻き込まれずに関わる――その難しくも理想的な姿勢を端的に表した一文である。
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