「文明国の商取引において基本となるのは道徳ではなく金である」

- 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領
英文
”Money, not morality, is the principle commerce of civilized nations.”
日本語訳
「文明国の商取引において基本となるのは道徳ではなく金である」
解説
この言葉は、近代国家における経済活動が本来あるべき倫理や道徳ではなく、利潤追求の論理に支配されているという鋭い批判である。ジェファーソンは、国際的な商業や政治の現実に対し、理想と現実の乖離を深く憂慮していた。彼の理想において、商取引もまた公共の善や正義の延長であるべきだった。
背景には、ヨーロッパ列強が行っていた植民地支配、軍事力による貿易拡大、そして道徳を顧みない経済戦略への反発がある。ジェファーソンは、国家が利益のために人道を犠牲にする構造に警鐘を鳴らし、真に文明的な国家とは道徳と経済が調和した姿であるべきだと訴えたのである。
現代においてもこの名言は、多国籍企業の倫理的責任、環境問題、労働搾取、戦争と経済の結びつきなどを考える上で強い示唆を与える。利益のために倫理を棚上げにするような経済活動がもたらす社会的・地球的影響を直視する中で、道徳なき商業の限界を見抜いたこの一文は、時代を超えて私たちに問いかける。**「金が原理となる社会」と「道徳が原理となる社会」、どちらが真の文明なのか――この言葉は静かに、だが深く問い続けている。
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