「人類は、悪が耐えられるうちはそれに耐える傾向が強く、慣れ親しんだ制度を廃することで自らを正そうとはなかなかしない」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

”Mankind are more disposed to suffer, while evils are sufferable, than to right themselves by abolishing the forms to which they are accustomed.”

日本語訳

「人類は、悪が耐えられるうちはそれに耐える傾向が強く、慣れ親しんだ制度を廃することで自らを正そうとはなかなかしない」

解説

この名言は、人間の保守的な心理と社会変革の困難さに対する鋭い洞察である。ジェファーソンはここで、たとえ制度や体制に不満があっても、人々はそれに慣れてしまえば容易には行動を起こさないという、変化に対する人間の本能的抵抗を指摘している。

この言葉は1776年のアメリカ独立宣言の中の一節に由来しており、当時の植民地アメリカが長年イギリスの支配に耐えてきた歴史的状況と深く結びついている。耐え得る悪には甘んじてしまうが、それを根本から改革するには大きな勇気と覚悟が必要であるという現実が、ここには込められている。

現代にも通じるこの洞察は、政治的・社会的改革がなぜ遅れるのか、あるいはなぜ人々が不正義に目をつむるのかという問いに対する明快な答えを提示している改革の難しさは単なる制度の問題ではなく、人間心理の深層に根ざしていることを、ジェファーソンはこの言葉で明らかにしている。

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