「もし神が正義であるなら、私は自国の行く末に震える」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

”If God is just, I tremble for my country.”

日本語訳

「もし神が正義であるなら、私は自国の行く末に震える」

解説

この言葉は、国家の不正義が神の裁きに値することを暗示している。ジェファーソンはアメリカにおける奴隷制度に強い懸念を抱いており、道徳的な正義の基準に照らして、自国の行いが正当化できないことを認識していた。そのため、神がもし本当に公正な存在であるなら、アメリカが報いを受けないはずがないという深い恐れを吐露したのである。

この発言は、1770年代から1800年代初頭にかけての南部奴隷制度を背景にしている。ジェファーソン自身は奴隷を所有していたものの、その制度の矛盾と不道徳性を自覚しており、国家の未来に対して道徳的な責任を感じていた。これは彼の良心と時代の限界とのあいだで揺れる内面の葛藤を象徴している。

現代においても、過去の不正義に対する責任を問う場面は多く、歴史的な加害や構造的不平等にどう向き合うかは常に問われている。この名言は、国家が正義を欠いたとき、神や道徳が沈黙しないという原則を突きつけており、謙虚さと正義への覚悟を促す警句として響き続けている。

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