「神は正義であると考えるとき、そしてその正義が永遠に眠ることはないと悟るとき、私は我が国の行く末に震える」

- 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領
英文
“I tremble for my country when I reflect that God is just; that his justice cannot sleep forever.”
日本語訳
「神は正義であると考えるとき、そしてその正義が永遠に眠ることはないと悟るとき、私は我が国の行く末に震える」
解説
この言葉は、不正義に対する神の報いの不可避性を深く憂えたものであり、ジェファーソンが奴隷制度という国家の道徳的矛盾に対して抱いていた危機意識を強く示している。彼は奴隷制に反対の立場でありながら、それを直ちに廃止できない現実に苦しみ、道徳と信仰、そして国家の存続の狭間で葛藤していた。
発言の背景には、アメリカが独立を果たしたにもかかわらず、建国の理念である自由と平等が黒人奴隷には適用されていないという倫理的矛盾がある。ジェファーソンは神の正義という超越的な観点から見て、国家の罪がいつか裁かれるであろうという予感に震えているのである。この不安は、彼の著作『ヴァージニア覚書』にも記されており、未来の贖罪を暗示する預言的な響きを持つ。
現代においてもこの言葉は、制度的な不正義や歴史的過ちに対する自己反省と、倫理的責任の重要性を示唆する。社会がどれだけ栄えていても、道徳的な欠陥が是正されなければ、必ず代償を払うときが来るという警告として、この名言は今なお力強い意味を持ち続けている。
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