「私は一紙の新聞も購読しておらず、月に一度も読まないが、そのことで自分がはるかに幸福でいられると感じている」

- 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領
英文
“I do not take a single newspaper, nor read one a month, and I feel myself infinitely the happier for it.”
日本語訳
「私は一紙の新聞も購読しておらず、月に一度も読まないが、そのことで自分がはるかに幸福でいられると感じている」
解説
この言葉は、トーマス・ジェファーソンが晩年に抱いた報道機関への幻滅と距離の取り方を如実に示している。かつては報道の自由の擁護者であった彼も、政争や誹謗中傷、偏向報道に溢れた新聞の現実に触れるなかで、情報の氾濫が心の平穏を乱すものになり得ることを実感していた。
この発言は、情報過多による精神的ストレスや感情の動揺という現代的な問題にも通じる。SNSやニュースアプリに常時接する現代人にとって、意図的に「情報断ち」することで得られる心理的安定の価値は大きい。ジェファーソンは、真の幸福は絶え間ない刺激ではなく、内面的な静けさと秩序にあると考えていた。
ただし、これは報道の自由を否定するものではなく、その利用方法と距離感の選び方に対する一つの姿勢である。知る権利と心の健康のバランスをどう保つかという問いに対し、ジェファーソンは自身の実践をもって答えている。「知るべきこと」と「知らずにいること」の選別も、成熟した市民の責任であることを示唆している。
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