「友情とは、他人の愚かさや不運と同盟を結ぶことの別名にすぎない。我々には我々自身の苦しみで十分なのに、なぜわざわざ他人の不幸に志願して関わろうとするのか?」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

“Friendship is but another name for an alliance with the follies and the misfortunes of others. Our own share of miseries is sufficient: why enter then as volunteers into those of another?”

日本語訳

「友情とは、他人の愚かさや不運と同盟を結ぶことの別名にすぎない。我々には我々自身の苦しみで十分なのに、なぜわざわざ他人の不幸に志願して関わろうとするのか?」

解説

この言葉は、ジェファーソンにしては異色ともいえる、友情に対する懐疑的・皮肉な見方を表している。ここでは友情が他人の過ちや不幸に巻き込まれることとほとんど同義であるとされており、自己の平穏を乱す要因としての人間関係への冷めた態度がにじみ出ている。おそらくこの発言は、公的・私的な場での経験を通じて、友情が時に負担や犠牲、感情的消耗を伴うものであることを痛感した末の言葉である。

一方で、ジェファーソンは多くの書簡において友情を大切にしていた面も持ち合わせていたことから、この言葉は一時的な幻滅や苦悩の反映とも読み取れる。つまり、友情とは理想的なものではなく、人間の弱さや不完全さを引き受ける覚悟の上に成り立つ関係であり、その負担を自発的に受け入れることの意味を問いかけているとも解釈できる。

現代においても、他人との深い関係が幸福と同時に苦悩をもたらすことは広く共感されうるテーマである。この名言は、友情の美化とは異なる角度から、人間関係の本質的な負荷や、そこに自ら関わる選択の責任を問いかける冷静な警句である。友情は甘美なものではなく、覚悟ある選択であるという逆説的な真理が、この皮肉の中に潜んでいる。

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